映画『フロントライン』/あの船の中で、何が起きていたのか

2024年6月13日(金)公開
監督:関根光才
出演:小栗旬・松坂桃李・池松壮亮・滝藤賢一・窪塚洋介・森七菜・桜井ユキ
はじめに 〜まず伝えたいこと〜
この映画を見てほしい、でもその前にちょっとだけ言わせて下さい。
『フロントライン』ってタイトルから、勝手に「感動ヒューマンドラマ」だと思ってました。
でも、実際は全然違った。派手な演出や泣かせにくる感じはなくて、淡々と静かに、でもリアルに、あの時の出来事が描かれます。
舞台は2020年2月、ダイヤモンド・プリンセス号で起きた出来事。コロナがまだ“未知”だったあの時。
誰もが手探りで、正解もゴールもわからない中、命と向き合っていた人々の姿に心がグッと引き込まれます。
全世界の人々が初めて体験したコロナパンデミック。
一人でも多くの人に見てもらいたい映画です。
(*個人的評価です。)
STORY(あらすじ)
DMAT(災害派遣医療チーム)指揮官の結城(小栗旬)と、厚労省の立松(松坂桃李)が船外から事態を統括する。
その一方で、医師の仙道(窪塚洋介)や真田(池松壮亮)は船内に乗り込み、混乱の中、一人でも多くの命を救おうと奮闘する。
その中には、船のクルー羽鳥(森七菜)や、メディアの記者・上野(桜井ユキ)など、さまざまな立場の人たちがさまざまな思いをもって。やるべき仕事を続ける。
やがてマスコミ報道が加熱、船内も外も混乱する中、誰ひとりとして諦めず、全員の無事な下船を目指して奮闘する。
観る人でどう感じるかは違って当然
映画が終わると一緒に観た友達は冷静にこう言った。
「実際は、こんな簡単じゃなかった。」
彼女は当時、高齢者施設で毎日コロナとリアルに闘ってた。スタッフもコロナで出てこれない中、残った人数で休みもなく働いていた様子。大切な利用者さんが亡くなったり、クラスターも何度も経験して、混乱の毎日だったそう。決して大げさでなく、戦ってたと。
そんな彼女の言葉にハッとした。
私も当時、別の施設で介護をしてたけど、スタッフがたくさん居た事もあり、休みがないという事もなかったし、神経を擦り切らしてとまでという状況にはなかったので、普通に映画にどっぷり入り込んでしまってた。
この映画は、フィクションじゃない。
実際に世界中に大混乱を巻き起こしたリアルなコロナの話だった。

特に印象に残った登場人物たち
◆ DMAT指揮官の結城(小栗旬)× 厚労省の立松(松坂桃李)
当初は「人命が最優先」の結城(小栗旬)と「感染拡大防止が最優先」の立松(松坂桃李)が、立場の違いから、激しくぶつかりあう。
そんな中、次第にお互いの中にある「人を助けたい」という思いに気づき、少しずつ信頼を築いていく。
後半は様々な困難を一つずつクリアしながら戦友のような関係になって行く二人に静かな感動があり心に残ります。

◆ 一人を救いたい——羽鳥(森七菜)の決断
クルーズ船のクルー・羽鳥(森七菜)は、重症の夫が先に下船してしまい、不安と混乱の中でパニックを起こした奥さんを助けたいと、DMAT仙道(窪塚洋介)に頼み込む。
もちろん「全体を守る」立場としてはその要望は却下される。
それでも、目の前のたった一人のために行動しようとする羽鳥の姿に、女性として共感してしまいます。

ラストシーンに、少しの希望
船の下船からどれくらい経ってるのか?
廊下を並んで歩く結城と立松に、
雪の中を歩く仙道(窪塚洋介)から、結城(小栗旬)への着信。📲
仙道「立松(松坂桃李)に頼みたいことがある。お前から頼んでくれ」
結城「横にいるよ😊」
結城から電話を渡される立松
😒立松「また、やっかいなことじゃないでしょうね~」
😊結城「やっかいなことだから、お前に頼むんだろ?」
いたずらっぽく笑う結城と冷静な立松との対比がサイコーで思わず笑ってしまいます。😊
緊張感の続いた物語の中で、やっと訪れた穏やかな時間。☘️☘️☘️
温かく終わるラストが、とても印象的でした。😃
実在の人物たちがいたということ
☘️結城のモデル・神奈川DMATの阿南英明さんのコメント☘️
「5年前苦しくて、苦しくて、早く終わりたい、早く忘れたい・・・。信念がグラつくこともあったのは事実です。小栗旬さんが 演じてくださった絶対のヒーロー像でない「結城」は心から共感できます。本当に素晴らしい小栗DMATが、改めて本当の「勇気」を呼び戻してくれました。再び危機に直面した時に、大切な仲間と逃げずに最善を模索しようと思います。感謝。」
作品の中の出来事が、どれだけ現実に近いか。
実際の経験者の言葉が、それを物語ってくれています。
公式サイトには、他のモデルとなった方々のコメントも掲載されているのでそちらも是非。
→ 映画『フロントライン』公式サイト
まとめ
コロナが広がりはじめた、あの2月。
私はテレビでダイヤモンドプリンセス号の映像を見てたけど、それはホントに表面しか知ってなかったんだと改めて気づかされました。
目に見えないウイルスが、社会を、生活を、人を、分断していったあの日々。
そんな中、最前線で懸命に命を守ろうとした人たちがいてくれたこと。
その姿を、忘れずにいたい。
また同じような事が起きた時、冷静に、思いやりをもって行動できるように。
最後に
この映画はあの時を“振り返る”だけでなく、
“次への備え”としても大切な作品だと感じました。
命の最前線で、最後まで闘い続けて下さった
医療従事者、関係者皆様に心からの感謝と敬意を込めて。☘️
*画像は『フロントライン』公式サイトより引用しています。
出典:https://wwws.warnerbros.co.jp/frontline/
おまけ
ここまで読んで下さってありがとうございます。
ちょっと最後、恰好つけすぎたかな(;’∀’)
感情抑え目な展開とはいえ、涙もろい私はやっぱり、
何度も劇中で泣かされたしね💦😂
きっと、皆さんの心の奥にも何かが届く映画です。まだ観てない方はぜひ、映画館へ。
🎬次は、いよいよダニーボイル監督の映画『28年後…』!🧟🧟♂️🧟♀️
全力で観て、全力で語る予定です!それでは、また(`・ω・´)ゞ
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