わたし、なんで泣いてんの?

車で病院に向かってる途中、涙が出てきた。
お父さん、まだ死んだわけじゃないのに。
だけど止まらなくて。
わたし、なんで泣いてんの?って思いながら、運転してた。
担当医からの電話
精神科から内科への転院
今日、父が入院している精神科の先生から電話があった。
「2~3日前から咳がひどくなっていて、検査結果で左肺が真っ白だったんです。
抗生剤も色々試したけど効かなくて、精神科での対応には限界があるので、
内科に転院して、きちんと治療してもらった方が良いと思うんだけど。」
私は聞いた。
「転院したら、良くなる可能性があるんですか?」
先生は言ってくれた。
「もちろん、良くなると思うから言ってます。」
でも私の中では、「本当に?」「動かして大丈夫?」「今より辛くならない?」
いろんな想いがぐるぐる回ってた。
母や弟にも相談した方が?
でも今決めないと、もっと悪くなる。
苦しい思いはさせたくない。治療よりも、父にとって一番しんどくない方法を選びたい。
続けて先生が言ってくれた。
「この週末ここに居てもらうより内科できちんと治療してもらったほうがいいと思います。もちろん、良くなったらまた、戻ってきてくれたら良いんで。」
私は先生に「お願いします」と答えたが、これが正解だったのかはわからない。
その後すぐに母と弟に連絡。
母とはなかなか繋がらなくて、「どこ行ったんやろ…」と不安でいっぱいになる。
担当医からの電話(2週間前)
2週間ほど前にも、「再度の肺炎です」と先生から電話があった。
誤嚥性肺炎、酸素マスク、絶食、点滴…。
精神の薬は一旦中止して、身体の治療を優先するとのことだった。
10日前の面会
面会が許されたのは10日前。
久しぶりに会った父は、頬がこけて、寝たきりになっていた。
少しせん妄もあって、話はトンチンカン。
「ここからいつも鮭を取りに行くねん。」「今から取りに行こう。」「車も3台買ったし。」「あたらしい嫁さんも3人おる。」
痩せてやつれた姿の見た目と、話してる内容があまりにも、ちぐはぐで 母と私は思わず笑ってしまった。
父は大真面目やったけど、それが余計に可笑しくて大笑いした。😂
帰り際に父に言った。「鮭は今度、元気になってから取りに行こうな~。」
父は「おお~」って言ってくれた。 そのやりとりが、今となってはすごくいとおしい。
3か月前の精神科入院
そもそも精神科に入院したのは、3か月前。
特養で「タクシーで帰る!」とエレベーター前に張りついて職員さんが目を離せなくなって。
キレて職員さんに孫の手を振りかざして。
私や、母にも「こんなおば捨て山に入れやがって!お前ら鬼か!」
って、あんなにおっきな声で怒鳴り散らしてたのに…
こんな急激に弱ってしまうなんて。😣
そして今日。
そして今日。
父はさらに弱っていた。
少ししゃべるだけでも喉がゴロゴロ言って 見てるだけで辛い。
もう一度、元気な父と会える日を信じて
内科医からの説明
転院先の内科の先生からも改めて説明を受けた。
🌿治療方針
抗生剤はすでに複数試されていて、MRSA(耐性菌)も見つかってるということ。
基本的な治療方針自体は今までと変わらない事。
🌿延命についての確認
父が苦しまず、できるだけ穏やかに過ごせることを一番に考えたい。
もしもの時も、人口呼吸器や心臓マッサージは希望しないこともちゃんと伝えた。
🌿身体拘束の同意
精神科がないので、薬を使わないことで、もし混乱が出たときはとの話だった。
できれば避けてほしいけど、必要ならやむを得ないことも理解し同意した。
私の方からも入院してた精神科の先生から「今は精神の薬を使ってなくても落ち着いている」と聞いていたので、そのことも内科の先生にきちんと伝えた。
少しだけ父と
帰る前、父のやせ細った手を握って明るくこう言った。
「マスクうっとうしいやろうけど、外したらあかんで~。だからちょっと、手を動かせなかったりするかもしれんけど、良くなる為やから辛抱してよ~。ちゃんと先生や看護師さんの言うこと聞いて、がんばって、良くなろな~。☺️」
父に握り返すだけの力はなかったが、ちゃんと私を見てくれてた。きっと通じたと思う。
きっと良くなる。
これが、今日の私にできた精一杯。
面会は毎日できるようになった。
それだけでも、ちょっとだけ安心。
あとは、病院を信じて、任せるしかない。
きっと、良くなる。🌿