G-KC1E9S8L4T 利用者さんが亡くなっても、初めて泣かなかった。夜勤専従で気づいた「心の距離」|50代介護士、あしたは夜勤です。

利用者さんが亡くなっても、初めて泣かなかった。夜勤専従で気づいた「心の距離」

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「あれ、私、大丈夫や」

先日、今の派遣先である利用者さんがお亡くなりになりました。私が夜勤で出勤してまもなくのことでした。

涙を流して辛そうなスタッフも数名いました。そんな中、今回の私はとても冷静で、泣いているスタッフを見て、まるでいつもの私を見ているようでなんとも不思議な感覚でした。

もちろん、悲しくなかったわけではありません。ただ、感情がぐらぐら揺れる感じではなかったんです。「あれ、私、大丈夫や」。

介護の仕事を始めて17年。こんな感覚は初めてでした。

これまでの私は、毎回泣いていた

私は39歳で、病院のヘルパーとして介護の世界に入りました。1年働いたあと、もっと利用者さんとしっかり向き合いたいと思い、ヘルパー2級(当時の名称です)を取って、老人ホームでの介護歴をスタート。それから17年。

これだけ経験を重ねても、涙は変わりませんでした。

直近の施設でも5か月間の在職でしたが、日勤も夜勤もしていて、4名ほどの利用者さんをお見送りしましたが、毎回、気持ちが揺れて、涙がこぼれないように必死に堪える努力が必要でした。

後日、ご家族が荷物を引き取りに来られる姿をお見かけするだけでも涙がこみ上げて泣きそうになるほどで、プロらしからぬ自分に、切り替えができない自分に、いつも「なんでいつまで経ってもできひんねん。」と情けなくも思っていました。

こうした強いストレスは亡くなられた時だけではありません。生前でも苦しんでいる姿を見る事になるからです。

その痛みの一つに死への恐怖があります。そんな中、私にできる事といえばお話をしたり、手を握ったり、背中をさすったりと、その程度です。

当然ながら施設のルールの中で一職員として、勝手は行動は許されず、ここにもジレンマ的な辛さを感じていました。単純に立ち入り過ぎていたと今ではそう思います。

こうして、利用者さんが亡くなると全部込み込みで、自分の心も持っていかれてました。

今回は何が違ったのか

最初に考えたのはお付き合いの短さでした。今の派遣先での契約は3か月。夜勤専従としての採用だったので、日中の利用者さんとの関わりはなく、朝食を終えて9時までの勤務でした。

でもそれなら、直近の5か月の勤務でも、短さで言えば大した違いはないのに泣いていました。では、何が違ったのでしょうか。

そこで気づいたのが、日中の関わりの有無です。

食事、入浴、レクリエーション、何気ない会話。日中は、利用者さんの人柄が見える時間です。その時間を共有していなかった分、付き合いは浅かった。これが大きかったのではないかと思っています。(あくまで私の実感で、これだけが理由と断言はできません)

そのせいか、今回のお看取りでは、悲しみの渦中にいるのではなく、周りのスタッフの悲しみを受け止めつつ、外から見守っているような感じでした。

「冷静って、こんなに楽なんや」

外から見ていて、まず思ったのはこれでした。「冷静って、こんなに楽なんや」。そして、こうも思いました。

看護師は、みんなこれを身につけているんやなと。(これは私が感じただけの話です。看護師さんも患者さんを亡くして泣くことはあるでしょうし、全員が同じとは限りません。)

泣かなかったから、冷たいわけじゃない

以前の私は、泣いてしまう自分を情けなく思っていました。でも、悲しみの表れ方は人それぞれです。泣いたからプロ失格ということも、泣かなかったから冷たいということでもないと思っています。

ただ、そのたびに心まで持っていかれて、引きずってしまうのは、良くないと感じていました。実際に、立て続けに1週間で3名亡くなられたときは、相当きつかったからです。

とはいえ、今回のように夜勤専従なら泣かずに済む、ということでもなく、この先ずっと平気でいられるとも限りません。

介護職の心のケア

残されたご家族の心のケアとして「グリーフケア」があります。大切な人を亡くした悲しみを抱えながら、前を向いて生活していけるように支えるケアです。

同様に私たち介護職にも、利用者さんを看取ったあとに行う「デスカンファレンス」があります。

ケアを振り返り、また悲しみの気持ちを引きずる事のないように行われるものです。職員の心のケアとして重要な役割を担っています。

まとめ

利用者さんに寄り添うことと、自分の心を守ること。この二つは、両立できるのかもしれません。相手の悲しみを理解することと、その悲しみを全部自分で背負うことは、別のことです。

今回の経験は、これまでの自分を否定するものではなく、長く介護を続けるために、自分を守る方法がひとつ増えた出来事でした。

17年経ってやっとつかんだこの感覚。

利用者さんの気持ちに寄り添いすぎて疲れてしまっている人は、たくさんいると思います。自分の心を守る技術の身につけ方は、人それぞれだと思います。

これをなんとか自分なりに掴むことができれば、今までと違う自分と出会えるかもしれません。同じように、看取りのたびにつらくなっている介護職の方に、こんな感覚もあるんだと伝わったらうれしいです。

ABOUT ME
のぼるちゃん
のぼるちゃん
派遣の夜勤専従として働く、50代の介護士です。介護歴17年、忙しさで心も体も限界を迎えた経験から、今は無理をしすぎない働き方を選んで、少しずつ立て直し中。夜勤専従のこと、介護現場のこと、老後のお金や年金への不安まで、等身大で綴っています😊
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